
二日目の食事は3食同じ内容だった

“食べられるのはありがたい。
いただきます”

“ごちそうさま”

“聞いてください”(ハンドマイク)

“本日、3回の食事を備蓄していたものから準備しました。 しかし備蓄の量は多くありません”(ハンドマイク)

“また、支援物資は来るか来ないか分かりません。 それで、米を提供してくれる方があれば、お願いします”(ハンドマイク)

(ざわめき)

“うちは出せるよ(会場から)”
“うちも出せるよ(会場から)”

(挙手)

安請け合いして、今うちに米がそんなにあるのか?

それでは米を提供できる方は、お願いします(ハンドマイク)

僕の家族は夕食のあと一旦自宅に戻ることにした

父親が今夜は自宅で眠ると言い出した。 それに、約束した米を取りに戻る必要ができた。

“うちに今そんなに米ある?”
“あんまりない”

(ため息)

僕の家族は自宅に戻り、暗闇の中で布団を敷いた

母は米を持った。
隣のおばさんが心配なので母は今夜も体育館に泊まると言う。

僕は父を1人自宅に残すわけにもいかないので自宅で眠ることにする

しかし、街灯が消えて真っ暗なので、母親を体育館に送ることにする
“送らなくて大丈夫だよ”
“いちおう送っていくよ”

“何かあったら電話して”
“ありがとう”

(僕は足を止めた)

僕はライトを消してみた

“…”

(振り返る)

灯りのない夜の町。 それは馴染みがない光景だった。

世界は…

世界は変わってしまった

何でこんなことになってしまったのか

涙がこぼれた

(ライトのスイッチを入れる)

(トボトボと歩く)

僕は再び自宅に戻る

僕は何か起きた時のために上着だけを脱いだ状態で眠った。 頭の保護のために帽子も被ったまま。

昨日とは異なり自宅の布団は暖かくて良かった

しかし、僕が次に自宅で眠ることができたのは、この日から3年9ヶ月後のことである

つづく